日本神経心理学会

神経心理学への誘い

私はこうして学んだ

脳神経内科医から
内山由美子 先生(国家公務員共済組合会九段坂病院 内科,脳神経内科)

出身校:群馬大学医学部医学科
現在の勤務先:国家公務員共済組合会 九段坂病院 内科,脳神経内科

1)神経心理学に関心をもたれたきっかけ

 科学技術への警鐘がテーマのSFに触れ,「ヒトとロボットの差ってなんだろう?」と考えたことがきっかけで脳の働きが知りたく,医学部へ進学しました.わが大学の先生方はこんな私に辛抱強く対応され,他大学の先生方へも紹介くださいました.そのお一人が岩田誠先生で,お話を伺う中で初めて神経心理学という言葉を知り,脳機能の探索の世界に興味をもちました.卒業後,当時岩田先生のおられた東京女子医科大学神経内科に入局しました.

2)これまで神経心理学をどのように学ばれてきましたか?今後どのように活動していきたいと思いますか?

 入局後,神経内科医として臨床で研鑽を積んできました.神経内科臨床の基礎となる脳血管障害や認知症などの変性疾患では,失語のような高次機能障害を呈することがまれではなく,ここで神経心理学を学びました.この症状は,どの部位の機能障害や残存機能で生じるのか.そして事象の把握,事象への働きかけの仕方がどう変化するのか.病巣や症状を文献で調べ,心理検査を行い,MRIや脳血流シンチグラフィーなどの脳画像で病変や機能変化部位を確認しながら考えてきました.精神科,リハビリ科,心理学,工学,言語学など多方面の先生方から,そして出会った患者さんや介護者の方々から,多くのことを教わりました.大学から市中病院へと所属は変わりましたが,このスタンスは変わりません.

3)これから神経心理学を学ぼうとされる方々にメッセージ

 医学のほか工学,言語学など他分野との連携が今後ますます活発になり,多視点から気付きが得られる神経心理学の面白さは,どんな分野にも引けを取りません.神経心理学の知見から症状を理解し対処することで,患者さんや介護者によりそう医療を提供する分野でもあります.ぜひ,一緒に神経心理学を学びましょう!

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