日本神経心理学会

学会誌

投稿のお誘い

「神経心理学」へようこそ

 日ごろ臨床をしていると「おや、この症状はなんだろう」「どうしてこんな行動をとるのだろう」と疑問に思うことがあると思います。そこで教科書を開くなり仲間に聞くなりし、文献にもあたるうちに、どうも自分がいま観察している症状は「ちょっとこれまでの報告とは違う」ことに気づきます。さらに診察や検査を加えたり、他の症例でも観察したりすると、その本質がおぼろげながら見えてきます。その結果を学会や研究会で発表するわけですが、発表が終わったら一件落着ではありません。論文としてまとめることで、後世までその内容を伝えることができます。

 「神経心理学」は1985年に、本学会の機関誌として創刊されました。これまでに日本の神経心理学に関わってきた多くの方々が編集委員として本誌を支えてくださり、学会員の協力のおかげで、日本の神経心理学を代表する雑誌になりました。本誌の特徴は3つあります。

  1. 症例報告を大切にします
    インパクトファクターが重視される昨今では、症例報告を掲載しない雑誌も多くあります。しかし、個々の症例の詳細な神経心理学的検討は、高次脳機能の成り立ちを知り、神経基盤を推測したり、対応法を工夫したりするうえで欠かせません。
  2. 幅広い内容の論文を受け入れます
    神経心理学の扱う範囲は近年格段に広くなってきました。対象としては成人の高次脳機能障害だけでなく、発達性の神経心理学的問題や、健常人の神経機能画像や認知心理学的な研究まで広がっています。症候としても、局所症状だけでなく、情動や社会的行動までも含むようになってきました。さらに、それらに対する治療としてのリハビリテーションや環境・機器の工夫についての研究も本誌の対象となります。
  3. 神経心理学の専門家が詳細で建設的な査読をします
    どの雑誌であれ投稿原稿がそのまま受理されることはめったにありません。本誌では、荒削りな論文でも光るものがある場合には教育的配慮のもとブラッシュアップする支援をいたします。査読者による詳細なコメントをもとに改訂することにより、格段に良い論文になることも少なくありません。

 論文を書くことは少し敷居が高いと感じるかもしれません。しかし、そこを一歩がんばって超えると、論文は何年経っても誰かの役に立ち、何より自分の研究が雑誌に掲載されるという達成感を得ることができます。さらに、本誌に掲載された論文のうち特に優れた論文は、年に一度、筆頭著者の年齢にかかわらず優秀論文賞として推挙され、賞状、副賞が授与されます。本誌は電子投稿が可能ですので、以前に比べると大分手間が少なくなりました。また、掲載論文は1年経つとウェブ上で世界に公開されますので、自分の研究を広く知ってもらうことができます。

 学会員のみなさまの論文をよりよい形で掲載できるよう編集員一同がんばっております。ぜひ「神経心理学」へご投稿ください。

編集委員長 鈴木 匡子

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