日本神経心理学会

学会概要

理事長挨拶

ご挨拶

 「失語・失行・失認」といった古典的な神経心理学の中心的主題から、今や「記憶障害、注意障害、実行機能障害、社会認知障害、さらには幻覚や妄想などの精神症状」へと、神経心理学の研究対象は大きく広がりつつあります。対象疾患も、血管障害や頭部外傷のみならず、アルツハイマー病などの変性疾患や発達障害が、重要な研究対象となっています。正確な早期診断および症状発現のメカニズムや神経基盤の解明に果たす役割、これらに裏打ちされた疾患別の介入方法や、治療効果の評価方法の開発に果たす役割など、社会からの神経心理学への期待も高まっています。このようなワクワクするような神経心理学の醍醐味を、次世代の研究者、臨床家に伝えていく責任が、本学会にはあると思っています。

 日本高次脳機能障害学会と本学会が協働で創設することになった「臨床神経心理士」も、そのような試みの一つです。本資格の目指すところは次のように定められました。

 「創設する資格は、神経心理学に関連する専門性が担保されたものである。なお、ここで言う専門性とは、神経科学や医学、心理学などの基礎的な知見を踏まえた上で、対人援助職としての技能を前提としたものであり、主としてリハビリテーションで必要とされる知識や技能を指す。具体的には、神経系の構造と機能および疾病に関する知識などを前提として、それに関する神経心理学的検査やそれによる見立て、所見の記載などを通じて、治療に貢献できるものであり、これには認知リハビリテーションなどのように直接的な介入も含まれる。また資格を有する人々によって関連する研究の発展や後進への指導を担うことも期待される。専門性が担保されることによって、職域の維持・向上につながるものでなくてはならない。」
(日本神経心理学会「臨床神経心理士資格認定・カリキュラム委員会」(緑川 晶委員長)ならびに日本高次脳機能障害学会「臨床神経心理士資格検討委員会」(佐藤睦子委員長)」)

 会員の皆様と一緒に、本資格を次世代の神経心理学の担い手に付与されるに値する資格に育てたいと思います。

 何卒、よろしくお願い申し上げます。

日本神経心理学会 理事長 池田 学

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